不織布ラミネートの製品事例や、フィルムの特徴、メリットデメリットをまとめた
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不織布の概要
不織布とは、シート状やウェブ状の繊維集合体を土台に接着剤で結合した製品や、熱可塑性繊維の繊維間接着を強めたものを指します。不織布紡績や製織、編組を行わない名前の通り「織らない布」です。
不織布に防水性などの機能を付与するために、樹脂を積層させたものを不織布ラミネートといいます。株式会社ウインテックスは、不織布ラミネート加工に定評があります。
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不織布の歴史
不織布にラミネート加工をした製品は、私たちの生活において医療用、住宅建材など様々な用途に使用されています。現在様々な不織布が市場に出ていますが、不織布の性質は主に、使用繊維・ウェブの形成・接着剤・ウェブの接着・乾燥方法によって決定します。
世界で最初の不織布はドイツでフェルトの代用品として羊毛のクズを接着剤で結合したものです。1934年にはアメリカで合成樹脂を接着剤として使用する不織布の特許が取られました。1937年、American Felt社による軍事用のカモフラージュクロスとして実用販売されました。1952年アメリカのPellon社がナイロン75%、レーヨンステープル(あるいは綿)25%のウェブをニトリルゴムで接着した「ペロン」という不織布製品を販売しました。「ペロン」は、通気性や引き裂き性・反発性の高さから好評を博し、芯地として利用されるようになります。日本国内では1954年より不織布の研究開発が始まりました。
不織布のメリット・デメリット
不織布のメリット
不織布のメリットは、多孔性であり保温性・通気性・かさ性が高い、外観(シート状・布状・フェルト状など)や触感がソフトな感触から硬いものまで多様であり、強力の範囲が広いことなどが挙げられます。引き裂き性・給水性も高く、布の代替品として使用することで、大量生産性・高性能・低価格を実現できることです。また使用繊維や接着剤の選定により目的に合わせた性質を付与した新しい材料を製造できます。
不織布のデメリット
不織布のデメリットは、通常の布よりも耐久性が低く繰り返しの使用には向かないことや、反発性が優れている反面ドレープ性が低く身体に沿ったデザインが難しいこと、耐熱性や耐候性・変形に対する回復性が低いことなどが挙げられます。また一部の製造方式による不織布は配列がランダムにならず、ウェブ形成の際の方向性が残るという問題点もあります。
不織布は、繊維の集合体(ウェブ状・糸状)を接着させたり絡合させて製造します。繊維を積層させてシート状態にしたものをウェブといいます。ウェブ形成には、空中で行う乾式法と水中で行う除式法など様々な種類があります。ウェブ形成の代表的な方法をご紹介します。
乾式法と除式法
乾式法とは
乾式法とは空気中でウェブを形成する方法です。
比較的短い繊維をカード機によってシート状にします。繊維の偏りや厚みにむらが生じやすく薄いものには適していません。除式法と比較すると、製造スピードは遅く高価です。
除式法とは
除式法は、水中でウェブを形成する方法です。
水中で繊維をほぐし均一に分散させた後、水ごと金網に流出させ、脱水した繊維をさらにドライヤーで乾燥し結合します。安価で製造スピードが速いです。
乾式法や除式法以外の製造方法
- エアレイド法
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エアレイド法は、木材や化学繊維パルプを空気中に分散させウェブを製造する方法です。
- スパンボンド法
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スパンボンド法とは、紡糸ノズルから排出した繊維を直接ウェブにする方法です。1959年にDu Pont社が開発し特許を出願しました。生産性が非常に高く大量生産に適していますが、設備の規模が大きくさらに高度な技術を必要とします。
- メルトブルーン法
- メルトブルーン法は、紡糸ノズルから排出したポリマーを熱風で吹き付けて極細化し、ネット上で熱圧着する方法です。
- フレッシュ紡糸法
- フラッシュ紡糸法は、乾式紡糸に分類される方法です。高分子ポリマーを溶剤に溶解したものをノズルから勢いよく噴出させることで溶剤を気化・蒸発させて繊維を作ります。
ウェブの結合方法
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化学的結合
(chemical bonding) - 化学的結合とはアクリル系などの接着剤を使用してウェブを結合させることをさします。ウェブを水溶液(デンプン・カゼイン・ポリビニルアルコールなど)・溶剤溶液(酢酸セルロース)・水性エマルジョン(アクリロニトリル-ブタジェン・スチレン-ブタジェン・高スチレンーブタジェンなど)の接着液を塗布または含浸し、乾燥させます。
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熱による結合
(thermal bonding) - 熱で繊維の一部を溶かしてウェブを結合する方法です。カレンダー法やエアスルー法、超音波接着などが該当します。
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機械的結合
(machanical bonding) - 機械によってウェブを結合させる方法です。ニードルパンチ法や、水流交絡法、ステッチボンド法などがあります。
不織布の用途は幅広く、様々な業界や用途に使用されています。用途の例と具体的な製品例をご紹介します。株式会社ウインテックスでは、建材用や工業用だけではなく基準の厳しい医療用の不織布のラミネート加工実績も多くあります。
不織布の用途と製品例
- 建材用
- カーテン、エアフィルター、絶縁材、保温材、断熱材、床内材、壁内材
- 一般自動車用
- ドアの裏打ち、内張り、ホロ、保温材、カバー、装飾用、絶縁材、クッション材、カーペットの下敷き
- 衣料用
- 帽子、スカーフ、レインコート、ガウン、エプロン、ジャケット、ケープ
- コーティング用
- 人造皮革用基布、テント、防雨カーテン、ケーブル被覆
- フィルター用
- 衛生マスク、エアフィルター、浄水フィルター、エアコンフィルター、汚染防止フィルター
- 家庭用
- テーブルクロス、カバークロス、デッシュクロス、デッシュタオル、装飾用、ワイピングクロス
- 工業用
- 圧着テープ、アイロン接着テープ、ロープ、パイプ
- 包装用
- 各種外装用、各種内装用、パッキング用、包装用テープ、クッション材
- 医療用
- 医療用マスク、アイソレーションガウン、手術着、医療用カバー、医療用テープ基材(→テープ基材とは)
弊社の不織布ラミネート製品例
マスク・オムツ・生理用ナプキンなど衛生材料としての不織布ラミネート
家庭用マスク、手術用のサージカルマスクには不織布が使用されています。ガーゼよりフィルター性能の高い不織布に抗ウイルス剤や抗菌剤を添着した製品もあり、マスク素材の定番になっています。
オムツには元々布が使われていました。しかし布ではなく不織布や高吸水性ポリマー紙などの素材を使用することで、蒸れない漏れない性能の高さと、使い切りによる衛生面の安全性確保できます。ポリプロピレンスパンボンド不織布と伸縮性素材によって構築した凹凸で、オムツから尿や便が流れ出ることを防いでいます。また生理用ナプキンにも、ポリプロピレン・ポリエチレンの不織布が使用され、布ナプキン以上の経血吸収力、衛生面の安全性の確保が実現されました。
土質改善・ジオテキスタイルなど土木用途としての不織布ラミネート
盛り土が地震や雨によって崩れ大きな被害が出ることがあります。昔は土の性質を土木材料用に改良するために、藁や竹などの自然由来の素材が使われていました。現在は不織布やクロス、樹脂ネットなど人工物も使用されるようになり、より高度な土質のコントロールが可能になりました。不織布を使用することで、排水機能や異なる土同士が混じるのを防ぐ分離機能・水分だけを排出するろ過機能・遮光によって雑草を防止する防草機能などが利用できます。
手術着・アイソレーションガウンなど医療用途としての不織布ラミネート
不織布の使い捨て(ディスポーザブル)の性質は、衛生面で多大なメリットがあり、近年医療用用途として非常に多く使用されています。手術をする際の手術着・キャップ・医療用マスクには血液や患者の体液が直接医師と接触しないように、防水加工・吸汗性などの機能を有しています。また傷を脱脂綿とガーゼで多い保護する傷パッドや、医療用不織布ガーゼなど医療器材においても不織布が使われています。例えば生体吸収性不織布はグルコースを活用して手術後数週間で体内に吸収されます。また輸血用血液から白血球を取り除く白血球分離フィルターもポリエステルを原料とする不織布で作られています。
壁材・床材・そのほか防水性の補強機材など建築用途としての不織布ラミネート
紡糸ノズルから排出した繊維で直接ウェブ形成するスパンボンド不織布は1970年に開発されて以降、屋根用防水シートや防水材補強機材として使用されています。不織布は施工や交換も比較的簡単で断熱性や吸音性も高いため、壁材や床材など様々な建材の姿で生活に溶け込んでいます。さらに防ダニや防蟻などの塗工を施した不織布もあり、畳の裏張りにも活用されます。
株式会社ウインテックスでは、医療用や建材用・農業用などに使用される不織布のラミネート加工を行っています。不織布にラミネート加工をすることで、防水性や防湿性など不織布に更なる機能を付与します。例えば病院で使用する手術着の場合は、防水撥水性のラミネート加工した不織布を使用することで血液浸透を防ぎ感染対策に有効です。また建築用として不燃性・ガラス繊維性の不織布にラミネート加工することで、壁や天井に使用する断熱材や防音材用途としても使用できます。その他、農業資材としてフィルムや不織布にラミネート加工を施し、防虫資材・保護材・ハウスラップ・べた掛け栽培の遮熱・遮光不織布シートとしても活用できます。不織布への各種ラミネート、防虫・防錆塗工全て弊社で可能です。
防水・防湿性がある不織布を使用した製品開発をお考えの方、不織布の各種ラミネートに関してのご相談はお気軽にお問い合わせください。
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