エステルバンドとは、軽量で高強度なポリエステル製の結束用バンドです。別名PETバンドとも呼ばれています。
エステルバンドは、パレット梱包やベール梱包、パイプや木材、板紙、線材の結束用、帯鉄の代替品として重梱包用などに使用されます。
エステルバンドはプラスチック原料で製造するため、錆が生じにくい性質があります。そのため帯鉄と比較して製品への錆うつりの心配がなく、傷などもつきにくいというメリットがあります。
※ベール梱包とは、PETボトル、プラスチック製容器包装、その他、繊維製品などを圧縮減容化し、バンドや紐などで俵状に固定する方法を言います。
エステルバンド(PETバンド)とは

エステルバンドとPPバンドの違い
エステルバンドとPPバンドの違いは、素材と性質にあります。
PET(ポリエチレン)を原料にしたエステルバンドは強度に優れています。PPバンドは、PP(ポリプロピレン)を原料にしており、PETより柔軟で破断や縦割れしづらい性質があります。
エステルバンドの強度
エステルバンドの強度は、引張強度や伸びで表します。
エステルバンドの引張強度試験は、JIS Z 1527:2002 「ポリプロピレン製バンド」に準拠します。試料を引張試験機の上下つかみに取り付け、つかみ間隔を200 mmとし,引張速度200 mm/minで引っ張り、最大引張強さ(N)及びそのときの伸び(%)を測定します。
エステルバンドは、乾燥によってやや硬くなる場合もあるため、使用環境の湿度にも注意が必要です。

エステルバンドのメリットは以下の通りです。エステルバンドは、錆が発生せず「梱包品質の向上」を実現し、軽量かつ簡単に開梱できて「作業効率化」を促進します。また、熱溶着による留め具不要での結束により「コスト削減」が可能で、多様な梱包用途に適用できます。これにより荷崩れや事故を予防し、「安全性」を向上させます。
エステルバンドの主なメリットと特徴
- ①梱包品質の向上
- エステルバンドは、製品保護性に優れており、梱包品質を向上させます。帯鉄と比較して錆が発生しにくく、紫外線劣化も少ないため製品に色移りもしません。
- ②作業効率化
- エステルバンドは軽量であり、梱包・開梱が容易です。帯鉄の約20%以下の重量で、通常のハサミで切るだけで簡単に開梱できるため、作業時間や労力を削減することができます。
- ③コスト削減
- エステルバンドは熱溶着によって留め具なしでも結束でき、ストレッチフィルムなどと比較して安価です。これにより、梱包資材コストを低減することが可能です。
- ④多用途
- エステルバンドは様々な幅や厚みがあり、ベール梱包やパレット梱包、シュリンク包装など幅広い用途に利用できます。
- ⑤安全性の向上
- エステルバンドで製品をしっかりと結束することで、荷崩れを防止し、事故などを防ぐことができる安全性の向上が図られます。
- ⑥耐久性
- 耐久性が高く、落下や衝撃性に強いため長時間張力を維持することができます。長時間の輸送にも対応可能です。
- ⑦環境負荷削減
- リサイクルが可能なため、環境負荷を削減することができます。

製品例①エステルバンド緑

製品例②エステルバンド黒
紙管サイズ | φ200mm | |
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幅 | 厚み | 長さ |
15.5mm | 0.6mm | 800M巻き |
紙管サイズ | φ400mm | |
幅 | 厚み | 長さ |
16mm | 0.6mm | 1,580M巻き |
19mm | 0.8mm | 1,000M巻き |
19mm | 1.0mm | 800M巻き |
19mm | 1.0mm | 800M巻き |
19mm | 1.2mm | 700M巻き |
19mm | 1.3mm | 700M巻き |
19mm | 1.3mm | 600M巻き |
25mm | 1.0mm | 600M巻き |
25mm | 1.2mm | 500M巻き |
30mm | 1.1mm | 400M巻き |
エステルバンドの結束方法 手作業での場合

具体的なエステルバンドの使用事例をご紹介します。エステルバンドは、鋼管やパイプ類の輸送にも使用できます。鋼管・パイプ類は、側面が丸く、段積み時に崩れやすい性質があります。
そこで製品を6角形状に積み重ね、エステルバンドで両端と中央を結束することで安定した状態で輸送することが可能になります。
アルミや亜鉛合金のインゴットをPEフィルムで巻き付け、エステルバンドで梱包し固定するという使い方も可能です。
エステルバンドの結束方法 手作業での場合
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手順1.
バンド梱包手順①
エステルバンドを結束する製品の下に差し入れて、製品の周りを1周させます。
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手順2.
バンド梱包手順②
エステルバンドを製品に差し渡し、製品を1周させたバンドと交差させます。
※この際バンドのねじれがあると輸送途中に破断する恐れがあるため、ねじれが生じた場合はやり直す必要があります。 -
手順3.
バンド梱包手順③
エステルバンドを引き締めて、梱包物に密着させます。
-
手順4.
バンド梱包手順④
エステルバンドをバイブレーション溶着や熱溶着で結束します。
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手順5.
バンド梱包手順⑤
エステルバンドをハサミやカッターで切断して完成です。通常は2カ所以上を同様の手順で結束します。
エステルバンド結束機① オルガパック

オルガパックはバッテリー搭載で電源コード不要のプラスチックバンド用ハンディー梱包機です。オルガパックを導入することでバンド結束作業がシンプルかつスピーディーに行うことができ現場作業の効率化を実現できます。
▬オルガパックの特徴▬
①タッチパネル上で引締強度を視覚的にリアルタイムで確認可能。
②約3.8kgの軽量かつバランスの取れたデザイン。
③お気に入り機能でお好みの設定を記憶し、繰り返し作業を効率化。
④結束プロセスを電子制御で常に一貫したパフォーマンスを実現。
⑤様々な仕様のバンドに対応可能。
⇒オルガパック詳細ページ
エステルバンド結束機② エルゴパック
エステルバンドの結束作業工程「製品へのバンド通し」「PETバンドの引き締め・溶着」「バンドの切断」までを半自動化するエルゴパックをご紹介します。エルゴパックはバンドを結束する際の「作業者がかがんでバンドを結束する資材の下に差し入れ、反対側に回り再度かがんで棒を拾い上げて反対側へ戻す」という作業をチェーンランスによって行います。そのため作業者への腰の負担が少なく、バンドのねじれも発生しません。さらに引き締めや溶着、バンドの切断まで1台で完了するため効率的です。ハサミやカッターを使用せずにバンドを切断するため、怪我の防止にも繋がります。
手動でのバンド掛けは、作業者が最も頻繁にかがまなければならない作業の1つです。バンド1本につき2回かがみ、1回パレットの周りを歩く必要があります。一般的な梱包においてはバンドを2本使用しますので、つまり4回かがみ2回パレットの周りを歩いています。1日に50パレット分もの梱包をされている場合、200回かがみ、100回歩いており、つまり1週間では合計1,000回もかがむ必要があることになります。

エルゴパック製品仕様
サイズ:幅770×奥行630×高さ1200 重さ:約100kg
エステルバンド・PPバンドに使用可能
幅12~19㎜、厚み0.5~1.3mm
最大梱包サイズ
奥行2.4M(高さ0.7M)
高さ2.3M(奥行0.8M)
結束回数(500回)充電時間8時間
エルゴパックは様々な梱包サイズや形状に対応してバンド結束が可能です。作業者は1名でその場でかがむこともなく、梱包物の周りを歩き回ることもなく作業を完了することができます。
エルゴパックをしたドイツのエルゴパック社は、作業者の長期的な健康的と作業の快適性を重視しています。工場や倉庫でのバンド結束作業における「かがむ」「立ち上がる」という姿勢の繰り返しによってオペレーターの背骨・膝・腰に負荷がかかり腰痛を引き起こす恐れがあります。エルゴパックを導入することでオペレーターの負担を長期的な面でも大幅に減らすことができ、工場の安全衛生の向上と省人化を実現します。
エルゴパックを実際に使った方からは、「作業が楽になった。操作も未来的志向で楽しい」「腰の負担が減って体が楽になった」など感動の声を頂いています。エルゴパックに関するご質問や見積り依頼、また実機でのデモンストレーションのご予約についてはお気軽にお問合せフォームよりお声がけください。
⇒エルゴパック詳細ページ

エステルバンドのご購入や、結束作業を効率化するエステルバンド結束機のご相談は株式会社ウインテックスにお任せ下さい。今回ご紹介した製品仕様の外にも、様々な幅・厚みの製品をご用意しております。
またエステルバンドの「バンド通し」「溶着」「バンド切断」作業を半自動化するエルゴパックの実機でのデモンストレーションも随時行っております。現在バンド結束を手作業で行っている場合は、エルゴパックの導入によって作業者の負担を大幅に改善し、社員の健康安全を長期的に守ることが可能になります。
各製品のお問い合わせやご質問は以下のお問合せフォームよりお気軽にお声がけください。